「ん、……んッ、ぁ……ぅぁ」
「は……っ……」
粘度の高いものを擦るような音が部屋に小さく響いてる。
ような音って言うか、実際にそうなんだけど。
ぼんやりした視界を前に向けると頬を赤く染めたアマミネくんがいて、少し下を見れば彼が彼自身のペニスを擦っている光景に思わずごくり、とのどが鳴ってしまった。
「先輩、手、とまってますよ」
「ぇう、ごめん、ね」
はぁ、と吐かれたアマミネくんの呼気を感じてこれ以上熱くならないと思っていた顔にさらに熱が溜まった気がする。くちゅ、とローションで滑りが良くなった自分のペニスを扱けば、じん…と腰に甘く響いて凄く気持ち良いけど、物足りないようにアソコが疼いた。
オナニーの日だからって僕がしてるところを見たいと強請る彼に、不公平だからキミもしてよ。しないならやらない。と言って2人でズボンとパンツを脱いでからどのくらい経ったんだろう。多分そんなに経ってないとは思うけれど、上手く働かない頭はとても長くこれが続いてる気がしてる。
「は、ぁー……っ」
「……ふ」
アマミネくんの笑う気配になにかと顔を上げたら、見えたのは彼の着ている上着だった。
「物足りないですか?腰揺れてますよ」
「……っ♡♡」
左手で抱き込まれて耳に注がれた熱を孕んだ声がずくり、と腰に響いて縋るように彼の首に額をこすりつけた。
「我慢しなくて良いんですよ。後ろも触って、ね?」
「ぁ、ぅ♡ど、どっちもは、できな……♡」
「じゃあ、こっちは俺がしてあげます」
導かれるままアマミネくんを跨ぐような姿勢になる。
なにをするのかと思ったと同時に彼が自分と僕のペニスを一緒に握って擦り始めた。
「あ゙♡♡♡」
「ぅぁ、これやば……っ……先輩は、ちゃんと、後ろ触ってください」
「ぅあ、ぁっ♡……ぅ、ん♡」
ローションと先走りでドロドロになってる手を後ろに持っていく。指を当てれば、待ち侘びていたように吸い付くソコにゆっくりと指を埋めると、初めての感触に腰がカクカクと痙攣してしまった。
「ぁ♡あぁ、ぁ♡♡」
「先輩のナカ、気持ちいいでしょ?たくさん擦ってあげてくださいね」
そう言って2人分のペニスを擦るのを再開するアマミネくんの肩を掴んで、必死に体勢を保つ。
「あっ♡、あっ♡♡ぁっ♡あっあっ♡♡」
気持ちいい。気持ちいい。前も後ろもドロドロに溶けてしまいそうだ。
チカチカと目の前に散っている星を気にする余裕もなく、昇り詰めるように手を動かすアマミネくんの熱い息が耳に届いて、イキそうってなったタイミングで身体を離され、噛みつくようにキスをされた。
「っ」
「ん、ん゙~~~~~~♡♡♡♡」
きゅうぅと自分の指を締め付けながら達する。イッてるのに絞るようにペニスを扱かれて、頭の大事な線が切れてしまったんじゃないかというくらいに視界が真っ白になった。
「は、ぁ゙♡ぁ~~~♡っぁ……♡♡」
「はー……」
ベッドに押し倒されて一度離れた唇がまた重なる。擦れる舌が気持ち良くてまた熱が灯ったお腹に散ったどちらのものか分からない精液をアマミネくんの指が伸ばす。ナカが、それを欲しがってまた疼いた。
「先輩、まだやれそう?」
「ん♡♡うんっ♡お腹にアマミネくんの欲しい♡♡♡」
「ふふ、かわいい」
彼を招くようにその背に腕を回せば嬉しそうな笑い声が聞こえて、それだけで頭がふわふわと多幸感に包まれる。アマミネくんって実は麻薬だったりするのかな。なんて馬鹿なことを考えてしまった。
離れた身体の間に通る空気が寂しくて縋るように彼を見ると、右手にローションを垂らしているのが見える。ネチネチと音をたてながら温めて僕のあそこに添えられた指に慌てて静止の声をかけた。
「ま、まって!もう慣らさなくていいから…!アマミネくんの挿れてよぉ」
「なに言ってるんですか。先輩の指1本しか入れてなかったじゃないですか。ちゃんと慣らさないと先輩が痛いんですよ」
「だ、大丈夫、だから」
「駄目です」
駄目なのは僕のほうだ。もうお腹がアマミネくんのを欲しがって疼いて敏感になってるのにヌルヌルの指にお尻を搔き回さてたら、どうなってしまうのか分からない。それなら少し痛くても思いっきり擦ってほしい。
「あの、本当に、僕いま……ぅ゙ゔ~~~~~~♡♡ぃ゙~~~~♡♡♡」
止められなかった2本の指があわいを抉じ開けて僕の中に入ってくる。期待で膨れた前立腺を思いっきり押し込まれて、一瞬で星が弾けた。
「え、先輩イったんですか?」
少し驚いた様子でアマミネくんが聞いてくる。僕止めたよね?!って文句を言いたいのにイった余韻で何も言えない。
「……ん、んっ♡」
「すみません……でも、俺もちょっと、辛くて……続けますね」
「ぇ……?あ゙っっ♡♡♡」
さっきよりもずっと乱暴にナカを掻き回される。性急すぎるその動きにずっと回らない頭が致命的に駄目になる感覚に襲われた。
「あっ♡あ、あっ♡♡はげ、し♡♡♡アマミネく、ん゙♡♡♡」
またイった。もう無理。頭が溶けて意識が遠退きかけたけど、抜かれる指とその後すぐにぴとりと添えられた熱に、疼くお腹に、上から降ってくる熱い吐息になんとか繋ぎ止めた。
「先輩、大丈夫ですか……?」
自分も限界のくせに何とか気遣おうとしてるのが可愛い。駄目って言っても無理なくせに。
「い、いいよ♡アマミネくんの挿れて♡♡♡」
「ありがとうございます……っ!」
「んぅ……あ゙っ゙っっ!♡♡♡」
勢いよく挿れられたアマミネくんのものでゴリゴリと前立腺を擦られて何度目かも分からない絶頂にバチバチと目の前に散る星に目が眩んだ。
「あっ♡♡あっぁっ♡♡♡あ゙っ♡♡♡あみゃ、みねく、ん!はげ、しっっ!!♡♡♡」
「は、はっ……っ!」
余裕なく腰を振るアマミネくんの顔をなんとか見ると、目がギラギラとしているのに涙で潤んでいて、食い締められた口からは飲み込み切れなかった唾液が零れていた。オナニーしてた時の余裕ぶっていた顔はもうどこにもなくて、全身で僕を求める可愛くてかっこいい年下の彼にどうしようもなく感情が湧いてきて上手く力が入らない腕を彼の首に回す。
意図を察して噛みつくようにキスをしてくれるアマミネくんの唇を舌で抉じ開けて彼の舌と絡ませる。上からも下からも粘着質な水音が響いて頭の芯まで侵されてる気がして気持ち良くてたまらない。
「あ゙♡♡♡す♡、ごいの、ぎて……る!♡♡♡」
「俺も、もう……っ」
「お゙っっっ♡♡♡あ゙~~~~~~~♡♡♡」
勢いよく奥を突かれて、昇り詰めたまま僕の意識は溶けていった。もう何もかもぐちゃぐちゃだけど、アマミネくんが責任もって片付けてくれるでしょ。おやすみ。
温かいものに包まれて意識が浮上する。覚醒とは程遠くてふわふわと揺蕩っているようなものでほとんど夢のような気もする。
「あ、すみません。起こしちゃいましたか?」
「ん……」
「まだ夜だし、明日、もう今日か。オフだからゆっくり寝てください」
「ぅ、ん……」
おやすみなさい、と言って額にキスをされた気がする。再度溶けていく意識の中であまりの幸福にほろりとひとつ雫が零れた。