アマミネくんと付き合い始めて半年が過ぎたけど、僕たちはいまだにセックスをしていない。
僕は誰かとお付き合いすること自体初めてだから自信ないけれど、友達の話を聞いてると割と早くしてるイメージだったからなんとなくそういう雰囲気になったらするのかなって思っていたんだけど、全然だ。
そういう雰囲気にならないわけではなくて、セックスはしてないけどキスはしてるし。もちろん触れるだけじゃなくて舌を擦り合わせるようなそれで。アマミネくんはびっくりするくらいキスが上手い。誰かとしたことあるのかって聞いたら明らかにムッっとした様子で初めてですって言われたけど、本当か疑ってしまうくらい彼とするキスは気持ちがいい。
そんなキスをされて変な気持ちにならない方が現役男子高校生としておかしいと思う。毎回そっとアマミネくんのを見るけど少し勃ってるし、僕のもそうなってる。なのにそれ以上先に進むことはない。
もしかしたら僕とセックスはしたくないってことなのかな。
でも、もしわがままを言って良いのなら、僕はアマミネくんとセックスしたい。
なんて思っていたからだと思う。
アマミネくんに抱かれる夢を見た。どっちがどっちの役をするかなんてもちろん話したことはないから、これは僕の願望なのかな…?
「ん、……んっ、ぁっ」
その日から、オナニーする時に一緒にお尻も弄るようになった。最初は違和感が凄かったけれど、回数を重ねるうちに少しずつそれもなくなってきて、前立腺というらしい所がムズムズするようになってきた。ここにアマミネくんのを挿れたらどうなるんだろうって想像するだけで頭がくらくらする。
今夜も夢を見るかもしれない。
「……先輩?百々人先輩?」
「え、あっ、なに?」
「どうしたんですか?最近、ぼんやりしてること多いですよ」
俺と2人の時だけですけど。って言いながら顔を覗き込むその顔の近さにじわじわと頬に熱が集まってくるのを感じる。
今日はアマミネくんが僕の家に泊まりに来てくれて、明日は完全オフだから、もしかしたらって期待してるのがバレてたりするかな。
「良いんですけどね。俺に気を許してくれてるってことだろうし」
そう言いながらさらに近付いてくる彼の顔に瞼を閉じれば、柔らかい感触が唇に伝わってきて、すぐにぬるりと舐められるからそっと開けば待ってましたと言わんばかりに口内にアマミネくんの舌が入ってくる。歯列をなぞって上顎を舐められて舌を擦り合わせると、腰がじぃんと重くなってきた。準備してたお尻が疼いてたまらなくて、キスに集中しているアマミネくんのゆるく勃ってるそれに触れる。
「ぅあ、も、もひと先輩。そこ、触らないで、ください」
アマミネくん、真っ赤になってる。可愛い。でもきっと、僕も今真っ赤になってると思う。
「ねぇ、アマミネくん。えっちしよ」
「えっ、いや、あの、それは、えっと」
「僕とはしたくない?」
「したいです!、けど…………あの、先輩はどっちをやりたいですか?」
それ、ちゃんと聞かないとって思ってて。って声が小さくなっていく彼の耳に手を当てて、そっと注ぐように僕の秘密を伝える。
「僕ね、お尻の準備してるんだよ」
「っ!!!」
バッと僕の顔を見てすぐに僕のお尻に視線をやったアマミネくんは首まで真っ赤になってて、僕だけがセックスしたいと思っていたわけじゃないんだなって分かって嬉しい。
「ね、アマミネくん。僕を抱いて。僕のお腹の中にアマミネくんのをちょうだい」
その言葉を言い終わるのと同じタイミングで噛みつくようにキスされた。
俺に脱がさせてください。って言われたからおとなしくアマミネくんに服を剝がされていく。恥ずかしいけど、嬉しそうな様子の彼に文句を言う気もなかった。
上を脱がされて、ズボンを下ろされたところでアマミネくんの動きが止まる。
「どうしたの?」
「先輩、パンツ濡れてる」
「んっ」
すり、とパンツの上からお尻をなぞられて、その感触でローションがシミを作っていたことに気付いた。しっかりと準備した分染み出しちゃってたみたいだ。
「俺も触って良いですか?」
「んっ、いい、よ。……んぅ!」
パンツを足から抜かれてすぐにアマミネくんの指が僕のお尻のふちをなぞって、ゆっくりと僕の中に沈んでいく。初めて他人の……好きな人の指にナカを撫でられてビクッと腰が跳ねてしまった。
「すごい、トロトロだ」
「あっ、ぁ、んっ……!」
ふくらんでしまった前立腺を撫でられてお腹の中が痙攣してきて、アマミネくんが欲しくてたまらなくなって、頭がおかしくなってしまいそうだ。
「アマ、ミネくん、……挿れて。アマミネくんが欲しい……っ」
「……っ、はい。痛かったら、言ってくださいね」
しっかりと勃起したアマミネくんのを見て、僕はこっそりと安心している自分に気付く。
良かった。僕のとそんなに変わらない。お尻が壊れることはなさそうだ。なんて、アマミネくんが聞いたら怒りそうなことを考えていた。
少しだけ、ほんの少しだけ余裕があったんだと思う。
でも、ゆっくりとアマミネくんのが挿入ってくると、そんなものどこかに飛んで行ってしまった。
「~~~~~~~っ?!♡♡♡」
「っ、先輩……!締めす、ぎ……っ!」
少し苦し気なアマミネくんの声が遠くに聞こえるけど、僕はそれどころじゃなかった。
ゆっくりと押し広げられるだけで頭がおかしくなるほど気持ちいいのに、亀頭に前立腺をゴリッっと刺激されて目の前に星が散る。
「まっ、てぇっ!♡い、ま、動かな、い゙っ♡!!!♡♡」
「ごめ、先輩、むり……!」
「う、ぁっ♡♡あっあっ、あっ♡っ!♡」
アマミネくんが動く度にイッてるんじゃないかってくらい気持ちいいのが止まらない。気持ちいいから降りられない。なんとか動きを止めたくて腕を彼の背中に回すけど、逆に奥まで彼のモノが挿入ってきて思わず爪を立ててしまう。
「イッ、き、たくない…!も♡、イ゙ッ……!!♡♡」
「……っ、あ、すみません、イきたいです、よね」
「ち、が……!あ、ぁぁぁ♡♡♡♡」
イきたくないって言ってるのにアマミネくんも頭が回ってないみたいだ。勃起したままの僕のを緩くしごかれて、お腹のナカがおかしくなってしまった。痙攣が止まらない。頭の許容量を超えて、気持ちいいが溢れて零れた。
「……っ、ぅ」
「ぁあ♡……ゔ~~~♡♡♡っあ、ナカ、あつ、い゙……っ♡」
僕が射精してすぐにアマミネくんも僕のナカでイッたみたいで、またお腹がおかしくなりそうになる。ゆっくりと引き抜かれていく時も何回かイッたような感覚があった。
「……っ、は、……百々人先輩、大丈夫、ですか?」
そんなアマミネくんの声が聞こえた気がするけど、僕の意識はそのまま暗転した。
「…………ん」
良い匂いに目を覚ましてゆっくりと起き上がると、シーツの剥がされたベッドで寝ていたことに気付く。ぐちゃぐちゃになったシーツは部屋の端に丸まっていた。
じゃあ、この匂いはアマミネくんが朝ご飯を作っているんだと簡単に想像出来る。何か手伝いを、ってベッドから降りようとして足に力が入らずにそのまま床に落ちた。
「な、なに……?え……?」
腰が痛いわけじゃない。でも足に全く力が入らない。僕が落ちた音を聞いたアマミネくんが慌てた様子でこちらに来る声が聞こえる。その声をぼんやりと聞きながら僕は思った。
アマミネくんとセックスするのは次の日が完全にオフの日以外は無理だ。と。